「ポートランド」という柔らかい概念
昨今の「ポートランド」というトレンド。「ポートランド」という土地自体がブームになっている訳でも、キャズム越えしている訳でもない。「ポートランドらしい暮らしやライフスタイル」がブームであり、言葉が柔らかい概念としてトレンドになっているのだと思う。
真っ先に思い浮かぶのは「KINFOLK」。この雑誌が日本における一部のクラスタに対して「ポートランド」というトレンドを起こしたのは間違いないと思う。
Google Trendsで"ポートランド"と"Kinfolk"を比較してみても
最近では東洋経済でも、こんな記事で特集している。
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サンフランシスコやロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク、ワシントンDCなどの『ディスティネーション・シティー』に比べ、依然として生活費が安いことに加え、文化的にトレンディーである点
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人を批判せず、独立性を重んじる
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「大いなる起業家精神」や助け合い
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「私たちの大半は、高い年収や立派な肩書きなどに心をひかれない。どんな人生を送るか、一日をどう過ごすかに大きな関心がある」
こういったトレンドにあえて名前を付けるとするなら「やわらかいカウンターカルチャー」とでも言うんだろうか。個性的に自分らしく暮らすという没個性。他人に提案された暮らし。
おまけ:FOUR IMAGES. ONE INSTAGRAM ACCOUNT PER SET. A WHOLE LOTTA THE SAME SHIT.
技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくる
タイトルは水野学さんの本から。
その昔、CPUの技術の進歩と共に、ゲームのハードはCPU競争であり、色数競争だった。
ゲームウォッチ(4bit)〜ファミコン(8bit)〜スーパーファミコン(16bit)〜プレステ・セガサターンetc(32bit)〜ニンテンドー64(64bit)、、、
その後、技術進化のスピードが鈍化して生まれたのはニンテンドーDSでありWiiだった。それらがCPU性能が勝るプレイステーションポータブルやXboxに明らかな勝利を収める。いわゆるヨコイズム(横井軍平)「枯れた技術の水平思考」である。
90年代後半、クリエイティブディレクターがもてはやされた時代だった。広告はセンスが命だった。言わば文系の時代私の世代の多くは美大に進学し、倍率も恐ろしく高かった。
その後、インターネットが浸透してまた技術の時代となった。エンジニアがもてはやされるようになった。技術を操れることが価値になった。そして今や、ウェアラブルデバイス、IOT、ロボット、人工知能、3Dプリンター、etc、、、
ソフト・ハード共に成熟しつつある。
時代は変わりつつある。今度はバランスだ。
ロゴは最終アウトプットにすぎない。ブランドを構成する要素とは。
こちら、とてもわかりやすかった。ブランドには歴史も物語もある。そして、それはユーザーの記憶や心のイメージにある。ブランディング構築のプロセスは編集方針にも使えますね。
- ブランドポジショニング (位置)
- ブランドパーソナリティ(属性)
- ブランドアソシエーション (連想)
- ブランドストーリー (物語)
- ブランドプロミス (約束)
コンテンツマーケティングがどうゆうものか正しく説明できるか。
友人が「コンテンツマーケティング」をやりたいと言うのでこの言葉の定義について改めて考えてみた。コンテンツマーケティングに限らず、グロースハックとかビッグデータとかデータサイエンティストとかデータマイニングetcとか。端的に説明出来る人は少ないと思う。完全に確立しきってないし、結局は代理店などがクライアントに売りやすくする為に呼び方を変えてるだけだったりするからだ。
さて、コンテンツマーケティングとは?と調べるとだいたいこんな風に書かれている。
「潜在顧客の興味のあるコンテンツを発信することで、顧客の集客・育成をすること」
でもこれだけじゃピンとこないだろうから具体的な例もいくつか挙げてみる。そこで私が例に挙げるのが「ほぼ日」「北欧暮らしの道具店」「ドクターシーラボ」辺り。本当はBtoBの例も挙げた方がよいだろう。これらの会社は集客の為のメディアを運営しているだけでなく、コスト対効果が割高になりやすいメディア運用を工夫して行っており、高い効果を出している。メディアを立ち上げるのも簡単。お金を使って運営するのも簡単。でもROIが見合わないんじゃ意味がない。そこを工夫して提案していかないといけない。
そんな中で、アジカンの後藤氏が過去にとても良いことをつぶやいていたのを思い出した。このつぶやき自体は音楽メディアに対しての苦言のようなものなんだが、、
ポップミュージックにまつわるテキストって、閉じてたり、書き手の自分語りだったり、産業としての状況分析だったりする。単なるコマーシャルもある。もうちょっとブリッジ、架け橋であることを意識したほうが良いんじゃないかな。
— Gotch (@gotch_akg) 2014, 9月 28
文学や哲学では、そういうブリッジにあたる行為が延々行われている。これから渡ってくる人に向けて語られる言葉がある。翻訳され続けている。そういう架け橋によって、受け渡され続けている。音楽を語る言葉は、なんとかの配信方法が新しいとか、音楽産業の終焉だとか、そんなことばかり言っている。
— Gotch (@gotch_akg) 2014, 9月 28
まさに、ユーザー(企業)とプロダクト(サービス)を繋ぐ「架け橋」こそがコンテンツマーケティングだと思う。
ハイパーイナフ大学なんか、架け橋のもっともたる例だと思う。
既存のウェブマーケティングとは違い、人が求めていない広告を表示したり、SEO対策の為にゴミのようなコンテンツを作るわけでもない。誰かが必要とする、良質なコンテンツだけを生産する、それが魅力なんだろう。世の中の為になるから。
海外で流行っているフラットなUIデザインを作る7つのルール
タイトルの「ゴージャス」はアレですが、海外の今日的なフラットUIをデザインする為の具体的なHow Toが上手くまとめられています。この7つのポイントをおさえるとトレンドぽくなる。
ゴージャスなUIデザインを作成する7つのルール - Photoshop VIP
- 光は上から当たります。
- 白黒ではじめよう。
- 余白スペースは倍とろう。
- イメージの上にテキストを配置するテクニックを学ぼう。
- テキストをポップに、そして控えめに。
- 美しいフォントを使おう。
- アーティストらしく盗もう。
個人的には(2)(3)(5)を重要視しています。
(5)の「テキストをポップに、そして控えめに。」私は「ジャンプ率を意識」と呼んでいますがデザインが上手な人はこれが本当にうまい。
これらを和文でやると一気に難易度は上がるんですけどね。
こちらで紹介されているWikipediaのコンセプトデザイン、素晴らしい。
海外のデザイナーはリデザイン案をよくアップしていますよね。Behance、はじめてみようかな。
UI Crunch #2 :「UIデザイナー不要説について語る」行ってきました。
こんばんわ。UI Crunch #2に行ってきました。Tシャツが欲しかったのでブログを書きますw
私は現在、事業会社に在籍しているので回りにUIデザイナーなどいません。採用もかけていますが、人材不足も感じています。そこで以下のようなアジェンダを持って臨みました。
- 業界のトレンドを知りたい、自分の知っている制作現場のナレッジが風化しないようにアップデートしたい。
- こういったイベントに来ている方々の年齢層やレベル感を知りたい。
内容は、「UIデザイナー不要説」についてブログで語った方々がそれぞれ15分づつセッションを。その後、グッドパッチ土屋さんをファシリテーターとして、DeNA坪田さんも加わってパネルディスカッション、の内容でした。詳しくはこちらで紹介されています。
UI Crunch #2 参加してきました | NET BIZ DIV. TECH BLOG
イベントとしては、リクルーティングの側面が強いのかな、という印象。
質問サイドも、年収の上げ方や採用基準などが多かったような。みんな不満持ちながら働いているのですね。特に重要に感じたキーワードをまとめました。
- デザインは定量評価することが難しい
確かに難しいですが、私がよくやるのは徹底的に目標範囲を絞って確実に目標を達成して定量評価をしてもらう、という方法があると思います。定性的なものだからこそ、定量的な判断が重要な場合があります。またデザイン行為は定性的になりやすいのでトリガーは定量的に判断する、と考えれば定量評価と言えるのかなと。
またスタートアップなどでは資金調達やステークスホルダー向けという側面で考えると、デザインリニューアル行為そのものが価値を持つ場合もあります。これは当然定量評価になります。
- UIデザイナーのスキルセット
スピーカーのほとんどが経営側という事もあるが、皆さん口を揃えていうのは「グラフィックだけじゃ×」「入口から出口まで見る人」「得意不得意はあるが企画〜ディレクション〜開発までやるイメージ」
この辺は全く同感。DeNA坪田さんの「UIデザイナー=サービスを開発する人」個人的にはこの一言に尽きると思っている。
- 重要なのはスキルよりマインドセット
すごい納得。技術やトレンドの変化のスピードが速すぎるから、昔ながらのPhotoShopでウェブデザイン経験がどーのってあんまり重要でないかも知れない。また、デザインスキルがありすぎるとそれはそれで弊害があるように思える。本件でいう「UIデザイナー」の定義は全体俯瞰=デザイン思考だから、ディテールに拘りすぎたり、開発やディレクションと線を引いたりとかね。。
私は根底には、UIデザイン・設計をやりたくて、でもグラフィックだけやってるのじゃ限界を感じて受託制作会社を飛び出してスタートアップに。そこでは企画やサービスのコンセプトワーク、ディレクションや開発までやりました。そしていまは事業会社に至る訳ですが。改めて間違っていなかったと思えました。
これはですね、日本には「Web制作会社」という業態がWebサイト制作の中心になっているという事情がありますが、そうした制作会社が、制作/実装にしか携わることができないということがUXを難しくしまうことがあると感じています。
いま、UXを語るのはなぜ悩ましいのか?─長谷川恭久ロングインタビュー | HTML5Experts.jp
こちらのブログでも語られていましたね。その距離を埋めるソリューションが私にとってはサービスや事業戦略を考える側に回るということでした。他にも色々あるでしょう。ロールモデルの一つとして、誰かの参考になればと思います。
以上です。
個人的には、UIデザイナー不要説の川上さんの、そうそうたるパネラー陣を前にしての「行きたい会社はありません。」発言が昨日のハイライト。
デザイナーだからって、サーバーのこと知らなくてよいわけじゃない。
当たり前のことなんですけど、中々できない。
うっすら分かっているけど、しっかり説明できない。
この記事はとっても分かりやすかったです。自分用のメモ。
「サーバーってなに?」~初心者でもよくわかる!VPSによるWebサーバー構築講座(1) - さくらのナレッジ
正直、技術的なことを知らないデザイナーはナメられます。今だと普通に仕事にならないかも知れない。改めて、スティーブジョブズの言葉を痛感する。
『文系と理系の交差点に立てる人にこそ大きな価値がある』
このブログもフィーリングとロジックのバランスを考えて記事を書いていきます。