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beerhole’s blog

ウェブデザインを中心とした雑記。自分用のメモ。音楽と美味しいもの、ライフスタイルについても少々。

膨張するデザインの持つ意味 / ポール・ランドのデザイン思想(Thoughts on Design / Paul Rand)を読んで

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僕がポール・ランドの本に興味を持ったきっかけはジョン・マエダ氏だ。ジョン・マエダ氏はMITでソフトウェア工学の修士を取得した後、筑波大学大学院で芸術の博士を取得している。MITメディアラボの副所長などを経て現在はWordPressにいる。

スティーブジョブズの言葉「文系と理系の交差点に立てる人こそ大きな価値がある」じゃないけれど、間違いなく、文系と理系の交差点に立っている人間だと思う。経歴やアウトプットには憧れないが、僕も文系と理系、デザインとシステムの関係のような相反するものの関係性を人生のテーマにしているので、ジョン・マエダ氏は当然雲の上のロールモデルである。そんな彼がデザインに興味を持ったきっかけが図書館で「ポール・ランドのデザイン思想」を読んでからだという。その記事を読んですぐにAmazonの欲しいものリストに追加した。

また、ジョン・マエダ氏の語っている「3種類のデザインについて」にあるように、

wired.jp

デザインの意味がどんどん変わってきているからこそ、あえてクラシックなデザインの本を読んで、デザインのもつ普遍的な部分は何かを探りたかったのもある。

あとは最近わけあってビジネス書ばかり読んでいるので、これくらい文字の少ないビジュアルブックを読んで頭を休めたかったというのもある。そんなに頭の作りが優れてないので、すぐ疲れるのである。

http://www.paul-rand.com/assets/portraits/sva_exhibit2.jpg

本を読むにあたり、ポール・ランドのことは当然知っていたけどIBMのロゴデザインの人くらいにしか知らなかったので、色々ネットで調べてみた。デザインを独学で学んだことと、「ポール・ランド」という名前も本名ではなく(ユダヤ人であることを隠したい時代的な背景があったにせよ)彼が作った最初のコーポレートアイデンティティのようなものだという点。ちなみにこの本は1947年に彼が33歳のときに書かれたもので偉大なIBMロゴもABCテレビのロゴも誕生してはいない。

 

いくつか気に入ったメッセージを引用。

 

グラフィックデザインとは、見る者にメッセージを伝えられなければ、優れたデザインとは言えない。」
「デザインはそれが広告であれ、出版物であれ、工業製品であれ、常に美しく、目的に適うことが必要である。コンセプトが非常にわかりやすいヴィジュアルで表現されていてこそ、優れたデザインと言える。また、優れたデザインであればあるほど、ごくありふれたものが、洗練されて見える。」

 

常に美しくあること、目的に適っていること、コンセプトを伝えること

これは別にデジタルデバイスでも、UIデザインでも、ビジネスデザインでも、何も変わらない。
当時はコーポレートアイデンティティが担う役割が、現代はビジネスデザイン(デザインシンキング)やテクノロージデザインに変化しただけのことだと思った。デザインの本質は変わらない。問題解決の手法だ。買ってよかった。

 

追伸:ところでこの帯、今目にすると味わい深い。「デザイン界のドン。一度でいいから叱られてみたかった。- 佐野研二郎